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2 / Neu! 

今年に入って、先月中旬の頃まではどうも頭がモヤモヤしていた。
とりあえずまた新録を始めたのだけれど、なかなかテンションがあがらない。
やる気が起こらないときは、何か他のことをしてみるしか仕方がない。

ひたすら酒を飲む。これは精神的には悪くない。あくまで対症療法だけど。
幸いボクは「泣き上戸」や「バッド・トリップ」にあまり縁がない。
どうしても苦手な相手と飲まねばならない場合などは別にして、
少なくとも一人で飲むときなどは、専ら「前向き」な気持ちになるのだ。

でもそれだけではあまりに自堕落なので、映画を見たり本を読んだりもする。
モヤモヤに打ち勝つために、無理やりにでも細々と録音は続けつつ、
飲酒や読書をするうちに先月は通り過ぎていったわけだが、久しぶりに結構
大きく落ち込んだので、トンネルを抜けるときに得たものもなくはなかった。

必要以上に時間を食ったけれど、新録もひとまず完成。近々アップします。
で、得たものが何かと問われると、これがとても哲学的な問題なのだ。
こういうとこで発表してしまうと、ひどく理屈っぽくなってしまうので、言いません。

さて、ノイ!の「2」ですが、これは正直期待以上の「2nd」とご紹介したい。
「1st」の、それもその「1曲目=ハロガロ」が時代を変えたとも言われております。
だがしかーし、気まぐれなジャーマン・アバンギャルド一派のことなので、
この「2」については「興味はあるけど期待はできない」、そんな感じでありました。

たとえばファウストの2枚目の1曲目なんか、ものすごくかっこ良い。
でもあとの曲はあまりよく分からない。まーこんな軽はずみなことを言うと
すぐさま大バッシングされそうだけど、ツェッペリンの「4」と同じような印象。

ノイ!の「1」はそこそこ最後まで聞けるけれど、だからこそ「2」がそれ以上に
聞ける作品になっているとは到底思えないなぁ、という予想でした。
ごめん、ノイ!さん、謝るよ。全然「1」より「2」の方が良いアルバムじゃん!

何が良いって、その内容がほぼ完全に「1」を踏襲しているところ。
「新しいことやろう!」っていう力みが全くない。確かに新しさなら「1」で十分。
だからこそ「1」をベースに「1」と同じテンションで遊び、戯れている。

さらに素晴らしいのが、アルバムの後半に登場する反骨精神に富んだアイデア。
実はこのアルバム、前半を録り終えた時点ですっかり予算が尽きてしまった。
どうしたものかと考えあぐねた結果、彼らは既存曲の回転数(再生スピード)を
極端に上げただけのものを別曲として収録したのである。

ああ、何というインチキ、何というプロフェッショナリズムの欠如だろう!
しかし、これこそポーズでない「パンク」、ありのままの「パンク」だとボクは思う。
そもそも現代の音楽に以前のような「プロフェッショナリズム」は存在しない。
天性の音楽的才能や手先の器用さがなくても、音楽はできる。音楽の民主化だ。

ファウストもその手合いだが、ボクには少し観念的過ぎる。
ノイ!の場合、観念だけでなく、どこか牧歌的な奔放さがある。だから好きなのだ。

The Band / The Band 

今晩はトリスのハイボールを飲みながら、「東京物語」を鑑賞した。
さすが名作と言われるだけのことはある。
さすが世界の小津と言われるだけのことはある。本当にそう思う。

うら若き10代の頃は「ハリウッドなんてクソ食らえ!」てなテンションで、
日独伊仏の古典的名作をよく意味もわからないままに漁っていた。
思い返すと、当時のオレは躍起になって一体何と戦っていたんだろう。
娯楽は娯楽で良い。逆に今は「アートなんてクソ食らえ!」と思うほどである。

実のところ、そのとき「東京物語」について抱いた感想は、とにかく「眠い」だった。
良い創作というのは、スノッブな理由で接する者に対して頑なに門戸を閉ざすらしい。
「世界の小津と言われるからには・・・」では駄目なんである。

年始に帰郷した。その晩、母親はそそくさと寝てしまい、父親は酔っ払ってダウン。
時計の針はもう午前二時を回っていたんだけど、何だかこのまま寝るのはシャクだと思い、
鑑賞にたえるものはないか探し回ったところ、ビデオ「東京物語」の発掘に成功した。
飲み残した焼酎を片付けつつ見始めたが、意外と長い作品なので結局途中で寝てしまった。

改めてちゃんと、と思ったので、荻窪のツ○ヤでDVDをレンタル。それを今晩見たわけで。
「世界的評価」なんていう肩書きは関係ない。ていうか、関係ないから「世界的」なんだな。
「西洋から見た東洋」という方法で、地域や文化を限定する静態的なモダニズムの価値観。
この作品を見る限り、小津はそういうものをあまりにもあっさりと超越しているように思う。

科白がとてもユーモラスで、登場人物すべてに対して好意的な解釈が可能だし、
同アングルで別内容を撮ることによる時間表現は、ただただ見事としか言いようがない・・・
というようなことはオスギに任せておけば良い。淀川さんも水野さんも亡くなったしな。

映画は見終わったものの、ハイボールの余韻が残っていたのでそのままロックに進んだ。
音楽が聞きたくなり、始めはビーチ・ボーイズの「20/20」あたりを、と思ったんだが、
どうもウィスキーにはアワヌ、と考え直してザ・バンドを引っ張り出してみた次第なんである。

とても評価の高いアルバムである。恐らくそういう理由で昔購入したに違いない。
「東京物語」の勢いで、「これも今のオレなら理解できるんじゃ・・・」と踏んだわけだが、
予想と相反して「今のオレ」でもまだザ・バンドにはかなわなかった。

いつかは渋すぎる声で「良いねぇ」と首肯ける夕べが来るのだろうか。
たとえばスクリッティ・ポリッティの「キューピッド&サイケ」など、「・・・やっぱりわからん!」
という作品を何枚か所持しているが、それはそれで意味があるような気もする。
だが無論、作品紹介にはなってない。わかるようになったら再レビューしようと思う。

The Moldy Peaches / The Moldy Peaches 

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
遅い遅い、新年のご挨拶になってしまった。気がついたら、もう36分の1年が過ぎた。

今日は何故だか幼い頃のことを思い出していた。
特にお盆や法事やなんかにしか行かない親戚の家のことだ。
記憶をたどればたどるほど、楽しいことよりも居心地の悪さの印象の方が強い。

こんなことを言うと、遠くの空で元気にやっている親戚の面々が気を悪くするだろうけど、
原因はこちら側にあって、とにもかくにもボクは末っ子の甘えん坊でダメだったのだ。

まず単純に親戚のだろうが他人のだろうが、我が家以外のお宅が苦手だったし、
両親の親戚は西側(反共産圏・・・ではなく近畿以西、としよう)の住民ばかりだったので、
会う人会う人、どこか言葉が高圧的に感じられ、すーっと縮こまってしまうのだった。
(後に学生時代の数年間を西側で過ごしたことで、この偏見は見事に霧散するわけだが)

中でも一番苦手だったのは、曽祖父の家の非水洗便所である。
もちろんこの件は「西側」かどうかとは無関係で、要は典型的な田舎の家だったのだ。
今考えるとあり得ない話だが、見ているとそのまま吸い込まれてしまう気がして、
その存在は当時のボクにとって「この世で最も恐ろしいもの」だった、と思う。

曽祖父母はとてもやさしかったし、広々とした座敷や庭、蛙の子が暮らす田んぼ、
山積みのお茶菓子もあったが、その「白い怪物」だけが幼いボクの悩みの種だった。

しかもその外見は、なぜか洋式。丑三つ時に「ぬぬぅっ」と白くぼんやり浮かび上がる
その立ち姿は不気味そのもので・・・いや、もういいか、この話。
わざわざ一行あけてまでぶり返す内容じゃないよな。

というわけで(どういうわけだ)、今でも親戚の家に対する苦手意識が残っている。
そして、まったくつながりがなく、申し訳ない気持ちでいっぱいなんだが、
新年一枚目はモルディ・ピーチズ。最近になって、その存在を友人に教えてもらった。

本作がリリースされたのは2001年、ニューヨーク同時多発テロの前の年だ。
その頃ボクは学生の身分。モラトリアム真っ只中でノンキな生活を送っていたわけだが、
音楽について言うならば、それなりの貪欲さをもって求めていたと思う。
けれども、英国贔屓だったボクとヒップなニューヨーカーの彼らが出会うことはなかった。

ストロークスが華々しいデビューを飾り、ほぼ全プレスからの賞賛を浴びていたのもこの頃。
「向かうところ敵なし」状態のストロークス。その前座としてツアーを回ったそうだから、
モルディ・ピーチズだって相当勢いがあったに違いないし、ニューヨークの最も先っぽで、
最も熱く、最もとんがっていたデュオだったであろうことは疑う余地がない。

今でもその片割れ=アダム・グリーンは、「ふにゃっ」としたキャラに似合わず、
意外とコンスタントに作品を発表しているけれど、ここで言いたいのはそんなことじゃなく、
この作品には「元気の沸いてくる音楽」がいっぱい詰まっている、ということだ。

「こけもも」ならぬ「かびもも」の奏でる音楽は、頭で想像するより、とんがった音楽じゃない。
流れ出る音はノイズまじりで粗暴とも言えるが、何も考えず、ぽかんと耳を傾けていれば
いつしか気がつくことがある。それはむしろ、とてもシンプルで「やさしい歌」たちなのだ。

これからCDを買って聞いてみよう、という人にはぜひ国内盤をお薦めしたい。
国内盤のみ収録されている、ボーナス・トラックのライブ音源。
これは本当に元気の沸いてくる音楽だ。元気のない人は必聴である。

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